2007年、福島県の阿武隈急行はJR東日本から中古車両3両編成1本を購入することを決定しました。
2007年と言えば、JR東日本仙台地区に新型車両E721系が導入され、国鉄型車両の置き換えが進行していた時期。阿武隈急行が購入できる車両の選択肢は417系・455系・717系の3種類。その中で選ばれたのが、車齢が若く状態がいい417系です。
譲渡車に選ばれた417系K-1編成は、郡山総合車両センターで阿武隈急行向けの改造を施し、2008年10月30日に運用を開始しました。
外観
JR時代との大きな変更点は車両の塗色です。8100系と同じ「阿武隈急行カラー」に塗り替えられました。
方向転換されてJR時代と編成の向きが変わっているのも、A417系の大きな特徴です。
内装
内装はほぼJR時代のままです。仙台支社独特の1両ごとに色が違うシートモケットも健在でした。
AM417-1(元クモハ417-1)車内は赤色のモケット。
AM417-2(元クモハ416-1)車内は青色のモケット。
AT418(元クハ416-1)の車内は緑色のモケット。
運用
A417系の定期運用は平日朝夕のみ。運用区間も福島~富野間に限定されていて、あくまで8100系の補助的な役割でした。
一方、臨時列車としては阿武隈急行線を飛び出してJR仙台駅に乗り入れるなど、興味深い運用もありました。
基本的には朝夕に細々と運用されていたA417系ですが、2016年3月26日に定期運用を離脱、同年5月28日のラストランをもって完全引退となりました。
特に他の車両に置き換えられるわけでもないし、いったい何のために購入したのか未だに謎。