青春18きっぷでは乗れない 並行在来線を解説

新幹線の開業とともに全国で増殖を続ける「並行在来線」。この問題に関しては、地元の利用者,旅行者,行政,鉄道会社など、それぞれの立場で様々な意見があるので慎重に語らないといけないんですが、今回は乗り鉄、特に青春18きっぷ利用の観点で並行在来線を見ていきたいと思います。

並行在来線とは

一般的には、新幹線開業に伴ってJRから経営分離された在来線を並行在来線と呼ぶことが多いと思います。
ここではこれで十分です!

新幹線が開業すると、今まで特急列車を利用していた客が新幹線に移ってしまい、お客さんが激減してしまう路線が出てきてしまいます。このような路線をJRに運営させるのは負担が大きすぎるという事で、1991年以降、新幹線と並行した路線はJRから経営を分離することができるようになりました。そのため、長野新幹線(現北陸新幹線)開業以降、新幹線と並行する在来線のうち、採算性の低い路線が次々と分離されていきました。

もちろん、並行した路線を切り離さない自由もありますし、実際にJRのまま残っている路線もあります(JR鹿児島本線博多~八代など)。JRのまま残った路線も文字通り”並行在来線”ですが、特急がなくなるくらいしか目に見えて大きな変化がないため、こちらに触れる人はあまりいません。

というわけで、上の理解で十分という事にしておいてください。

並行在来線の何が問題?

鉄道ファン的に一番痛いのは運賃の値上げでしょう。JR時代と比べると、ほぼ確実に値上がりします。
さらに、JRとは別の会社になったため、JR時代の切符は使えません。並行在来線に該当する路線では青春18きっぷは使えなくなってしまった、ということです。
鉄道ファンが並行在来線に文句を言っている場合、9割は青春18きっぷが使えないことが原因だと思ってもらって結構でしょう。別運賃は財布に優しくないですからね……。

並行在来線会社一覧

道南いさりび鉄道(旧JR江差線)

北海道新幹線開業にに伴い経営分離された旧江差線を運営しています。

五稜郭駅~木古内駅間37.8km。

青春18きっぷ利用者の場合、「青春18きっぷ 北海道新幹線オプション券」を購入すれば、道南いさりび鉄道線内では途中下車しないという条件付きで乗り通すことができます。

ただ、このオプション券、本州側のJR津軽線と新幹線の接続や、新幹線と道南いさりび鉄道線の接続が良好とは言えず、正直使いづらいそうですのであまり期待しないように。

IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道(旧JR東北本線)

IGR岩手銀河鉄道7000系

青い森鉄道青い森701系

東北新幹線盛岡~新青森開業に伴い経営分離された旧東北本線を運営しています。

盛岡駅~目時駅間82.0km

目時駅~青森駅間121.9km

岩手県と青森県で運営会社が別になっていますが、盛岡駅~八戸駅間は実質同じ路線のようにダイヤが組まれています。
青春18きっぷ利用の際、青い森鉄青森駅~野辺地駅~八戸駅間を通過利用できる特例があります。これは、他のJR在来線との接続がなくなったJR大湊線,JR八戸線への足を確保するための特例です。
ちなみに、盛岡~青森を正規運賃で移動する際、並行在来線と新幹線では数百円しか運賃に差がないので、北海道東日本パスや三連休パスなどを使わない限り両都市を移動する際に並行在来線を使うことはないでしょう。

しなの鉄道(旧JR信越本線)

しなの鉄道115系

北陸新幹線(長野新幹線)開業に伴い経営分離された長野県内の旧信越本線区間を運営しています。

軽井沢駅~篠ノ井駅65.1km(しなの鉄道線)

長野駅~妙高高原駅37.3km(北しなの線)

篠ノ井駅~長野駅間は現在もJRが運行しています。
IGRいわて銀河鉄道や青い森鉄道と比べると、JRの企画切符では乗れない例が目立つのが残念。でも僕個人的には一番好きですね。

えちごトキめき鉄道(旧JR信越本線,JR北陸本線)

JRから直通する快速列車

北陸新幹線開業に伴い経営分離された新潟県内の旧信越本線および旧北陸本線区間を運営しています。

妙高高原駅~直江津駅間37.7km(妙高はねうまライン)

直江津駅~市振駅間59.3km(日本海ひすいライン)

妙高はねうまラインはJR東日本の路線を、日本海ひすいラインはJR西日本の路線を引き継ぎました。JR東日本とJR西日本のハイブリットという、なかなか面白い会社です。
沿線人口が少なく、北陸新幹線関連の並行在来線運営会社では一番厳しい経営を迫られています。

あいの風とやま鉄道(旧JR北陸本線)

あいの風とやま鉄道413系

北陸新幹線開業に伴い経営分離された富山県内の旧北陸本線区間を運営しています。

市振駅~倶利伽羅駅間100.1km

並行在来線としては日本で初めてICカード「ICOCA」を導入するなど、攻めの姿勢が目立つ会社です。
青春18きっぷ利用の際、富山駅~高岡駅間を通過利用できる特例があります。これは、他のJR在来線との接続がなくなったJR城端線,JR氷見線への足を確保するための特例ですが、富山駅に乗り入れるJR線は高山本線のみなので、使う機会はあまりないかもしれません。
北陸に行ったときは青春18きっぷではなく、北陸おでかけパスあたりを使うのが賢い選択でしょう。

IRいしかわ鉄道(旧JR北陸本線)

IRいしかわ鉄道521系

北陸新幹線開業に伴い経営分離され、石川県内の旧北陸本線区間を運営しています。

倶利伽羅駅~金沢駅間17.8km

現在は非常に短い区間を運行している会社ですが、北陸新幹線敦賀延伸時には大聖寺駅までがIRいしかわ鉄道の路線になる予定です。
青春18きっぷ利用の際、富山駅~高岡駅間を通過利用できる特例があります。これは、他のJR在来線との接続がなくなったJR七尾線への足を確保するための特例です。

肥薩おれんじ鉄道(旧JR鹿児島本線)

肥薩おれんじ鉄道HSOR-100

九州新幹線開業に伴い経営分離された旧鹿児島本線を運営しています。

八代駅~川内駅間116.9km

この区間は熊本県と鹿児島県に跨りますが、同一の会社として運営されています。
並行在来線を運営する会社の中でも特に経営が厳しいようです。なんとか頑張ってほしいところですね。
青春18きっぷ利用者向けに「おれんじ18フリーきっぷ」が販売されているのが注目ポイント!当日有効青春18きっぷを提示すれば、2060円で購入することができます。

まとめ

新幹線開業で青春18きっぷが利用できない区間は今後も増えていくことが予想されます。

他の切符と組み合わせて、賢く旅をしたいところです。