JR線としては日本最北端の直流電化路線であることで知られるJR仙石線。
東北本線や仙山線など、周囲の路線は交流電化で、仙石線と周囲のJR線で共通の電車を走らせることが難しかったため、首都圏からの中古車両が主力として活躍しています。
※現在は仙石東北ライン開業で、一部列車が東北本線と同じ車両で運行されています。
仙石線の103系について
103系が仙石線で運用を開始したのは1979年。水色の103系が走っていました。
1989年からは仙石線向けの103系独特の改造が行われ、カラーリングも仙石線独自のものに。改造内容で特に目を引くのが、ドアボタンの設置と前面部分の改良ではないでしょうか。前面部分の3分割窓が103系の大きな特徴ですが、仙石線向けは2分割窓になりました。
仙石線用に手を加えられた103系ですが、老朽化には逆らえず、2002年から2004年7月にかけて後継の205系に置き換えられ、仙石線からは姿を消す予定でした。
しかし、多賀城駅付近の高架化工事で多賀城駅で折り返しができなくなっていて、車両不足が発生することが予想されていたため、103系1編成だけは解体を免れ、郡山総合車両センターに留置されていました。
2年間留置されていた103系ですが、トイレ設置やパンタグラフのシングルアーム化などの改造を経て、2006年に仙石線で再び営業運転される事に!
それが仙台車両センター宮城野派出所に所属していた103系T-235編成です。
あくまで予備車的な存在で、運用は平日朝2往復のみ。あおば通〜小鶴新田間1往復、あおば通〜東塩釜間1往復の合計2往復です。
普段205系しか走っていない仙石線の中では異彩を放っていましたが、2009年10月21日、ついに引退してしまいました。
首都圏では2006年の常磐線・成田線をもって103系の運用は終了していましたが、仙石線の103系か運用終了したことによって、JR東日本の103系の歴史は幕を閉じることになったのです。
仙石線向け103系独特の改造
仙石線の103系は、前面の窓が2分割になっているのが最大の特徴!
前面左側の幕が拡大されているのもポイント!
仙石線の103系には、ドアボタンが設置されていました。
もともと仙石線の103系にはトイレがついていませんでしたが、2006年に再び営業運転する際に、T-235編成に設置されました。
トイレ設置工事とともに、パンタグラフがシングルアーム化されました。
側面には英語で「SENSEKI LINE」と書かれていました。当時の仙台支社だと、磐越西線や仙山線の455系でも見られたパターンですね。
側面方向幕。
以上、仙石線103系T-235編成の紹介でした。